ある日、娘が私に聞いてきました。
「不健康な人はかわいそうだと思う?」
「健康的な人とはどんな人だと思う?」

どうも高校の道徳の授業で「かわいそうな人は誰か」というテーマで話し合ったみたいです。
「不健康な人とは身体の不自由な人であるとしたら、身体障碍者はかわいそうな人となってしまう。でも、それはおかしいよね。」

そう言う娘の質問に私はこう答えました。
「自分が健康だと思えば健康的なんじゃないかな」
「健康な身体の人だとか不自由な身体の人だとかは関係なく、毎日、美味しくご飯を食べ、毎日、気持ちよく眠れる人が健康的な人というんじゃないかなと思うけど。でも、ちゃんとした答えは出ないんじゃないかな。」

結局、曖昧な答えを返したんですが釈然としません。その後、私はそのテーマをずっと考えました。
なぜなら、食事と睡眠は生きていく為に最小限必要なことであり、これさえ出来れば健康的であると言ってしまうのは、あまりにもモチベーションが低すぎると思ったからです。

考えた末、一つの結論に達しました。

例えば、五体不満足で有名な乙武さんに、「あなたは健康的ですか?」と質問したら、笑いながら自信をもってこう答えると思います。
「もちろん、健康的ですよ。手足は無いですけどね」と。

例えば、身体に問題はないけど精神的に問題を抱えている人に、「あなたは健康的ですか?」と質問したら、何も答えることが出来ないと思います。

結局、かわいそうかどうかは他人が思うことではなく、自分が自身をどう思うかが重要なのではないでしょうか。
どんな境遇であれ、自分が元気よく、楽しく生きていると思えば、かわいそうではないと思います。

今この瞬間にも、身体や心に痛みを抱え、夜も眠れずに耐え忍んでいる方がいると思います。
そんな時に、元気を出して楽しく、なんて出来るわけがない。
だったら、その時はしっかり「悲劇のヒロイン」になりましょう。

そして、明日が来たら、少し笑ってみましょう。